公開日 2009年1月5日
税法改正により、平成21年度以降の個人市・府民税(ここでは、個人住民税又は住民税と呼称)が以下の通り改正されます。
(1) 寄付金控除が拡充されます。
(2) 平成21年10月より、個人住民税の公的年金等から の特別徴収が始まります。
(3) 上場株式の配当・譲渡益の軽減税率の廃止、損益 通算の範囲の拡大。
(1)寄付金控除(ふるさと納税)が大幅に拡充されました。
「ふるさと」に貢献したい、「ふるさと」を応援したいと思っている方、そのような方の思いを活かすために、都道府県や市区町村に対する寄付金税制が大幅に拡充されました。
従来の所得控除方式から税額控除方式に変わり、控除対象になる額が拡充されます。
改正前 | 改正後 | |
適用額 | 10万円を超える寄附金 | 5千円を超える寄附金 |
控除対象限度額 | 総所得金額等の合計額の25% | 総所得金額等の合計額の30% |
(1)控除方式 (基本控除) |
「寄附金-10万円」を 総所得金額等の合計から所得控除 |
「寄附金-5千円」×10%を住民税所得割から 税額控除(市民税6%、府民税4%) |
(2)特別控除 (ふるさと納税) |
適用なし | (地方公共団体に対する寄附金-5千円)× (90%-寄附者に適用される所得税率)を税額控除 |
(1)基本控除
(寄附金-5千円)×10%(市民税6%、府民税4%)を個人住民税より税額控除
(2)特別控除
(地方公共団体への寄附金-5千円)×(90%-寄附者に適用される所得税率)を個人住民税より税額控除(但し、住民税所得割の1割を限度とする)
地方公共団体に対する寄附金については、個人住民税においては上記(1)の基本控除のみとなっていましたが、平成20年度の税政改正により(2)の特別控除(ふるさと納税)が加わりました。
※特別控除の限度額が住民税所得割の1割から2割に変更されました。税制改正について(平成28年度実施分)
(2)個人住民税における公的年金からの特別徴収制度の実施
対象者
個人住民税の公的年金等からの特別徴収となる方は、次の要件をすべて満たす方です。
・老齢基礎年金等の年額が、18万円以上ある方
・特別徴収税額の年額が、老齢基礎年金等の年額以下の方
・当該年度の初日(4月1日)に国民年金法に基づく老齢基礎年金等の支払いを受けている65歳以上の方
徴収時期と徴収方法
▼平成21年度
普通徴収 | 特別徴収 | |||
6月 | 8月 | 10月 | 12月 | 2月 |
年税額の1/4 | 同左 | 年税額の1/6 | 同左 | 同左 |
▼平成22年度以降
仮徴収 | 本徴収 | ||||
4月 | 6月 | 8月 | 10月 | 12月 | 2月 |
前年10月~3月までの 徴収額の1/3 |
同左 | 同左 | 年税額から仮徴収額した額 を控除した額の1/3 |
同左 | 同左 |
(3)上場株式等の譲渡益・配当に対する軽減税率の廃止、損益通算の
範囲の拡大
(1)上場株式等の譲渡益・配当に対する軽減税率の廃止
平成21年1月1日から、上場株式等の譲渡益・配当に対する税率を引き下げる特例が廃止され、現在の10%(住民税3%、所得税7%)の軽減税率から、本来の20%(住民税5%、所得税15%)の税率にな ります。
特例措置
500万円以下の譲渡益及び100万円以下の配当については21・22年の所得税(住民税は22・23年度分)は軽減税率が適用されます。
上 場 株 式 等 の 譲 渡 益 |
平成20年12月31日までに行われる譲渡 | 平成21年1月1日以降に行われる譲渡 |
軽減税率 | 原則税率 | |
住民税 3% 所得税 7% |
住民税 5%
|
上 場 株 式 等 の 配 当 |
平成20年12月31日までに 支払を受ける配当 |
平成21年1月1日以降に 支払を受ける配当 |
軽減税率 | 原則税率 | |
住民税 3% 所得税 7% |
住民税 5% のうち100万円以下の部分につき軽減税率を適用 |
(2)損益通算の範囲の拡大
平成21年分から(個人住民税は平成22年度から適用)上場株式等の配当所得については総合課税と申告分離課税が選択できるようになります。
上場株式等の譲渡損失と申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得との間で損益通算ができるようになりますが、この場合、配当控除は適用されません。
※確定申告をした上場株式等の譲渡所得や配当所得は、「合計所得金額」に含まれるため、所得税・住民税における配偶者控除や扶養控除等の適用の有無の判定や、国民健康保険料などの算定に影響しますので、申告される際は、ご注意ください。