【広報コラム】日本遺産認定!「馬がつないだ龍田古道」(2020・8)

公開日 2024年9月6日

 「龍田古道」が日本遺産に認定されました。
 皆さんは「駅」といえば電車の「駅」を想像するでしょう。でも、「駅」という文字が馬偏であることから分かるように、もともとは、馬を乗り継ぐ所のことでした。「駅家」と書いて、「うまや」と読みます。「駅伝」といえば、タスキをつないで走ることですが、これも、馬を乗り継いで行くことから始まった言葉です。
 柏原市内にも、奈良時代に「津積駅家(つつみのうまや)」という駅家がありました。近鉄安堂駅の東に、「馬場先」という地名があり、「前田」「前畑」という地名もあります。「馬場」は駅家の近くによくある地名です。また、駅家を経営するための田を「駅家田(うまやだ)」と呼びました。「うまやだ」が「前田」になったのです。その近くから墨で文字を書いた墨書土器もみつかっています。墨書土器は、役所などで出土するので、山越えの龍田古道が下りてきた所、安堂駅の東側に津積駅家があったと考えられます。
 津積駅家は、奈良県三郷町勢谷東付近にあったと考えられる平群駅家とともに、奈良時代に平城宮と難波宮をつなぐための駅家でした。平群駅家から龍田古道を通って津積駅家へ、そして大和川にかかっていた河内大橋を渡って難波宮に向かうための駅です。都人が馬に乗って河内大橋を渡っている姿を想像するだけで楽しくなります。

津積駅家推定地
▶津積駅家推定地

(2020年8月号掲載) 

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