公開日 2026年1月27日
歴史資料館では、本年が「昭和百年」に当たることを記念して、残された昭和の暮らしや仕事の道具、地図、史料を陳列し、今から100年前頃を中心に、前の大阪万博が開催された昭和45(1970)年までの柏原をふり返る展示を開催しています。
昭和初期、大阪府のぶどう栽培面積・出荷額は日本一を達成し、その中心である堅下地域は、わが国農村の一大成功例として注目を集めました。山の頂上付近から家の屋根の上、道の上まで、ぶどう棚に覆われた景観が出現します。高い品質で知られた当地のぶどうは、鉄道をはじめとする交通網の整備によって、世界第6位の大都市に成長した大阪の人びとをはじめ、全国の消費者のもとに届けられました。こうした地域のブランドは、そう簡単に得られるものではありません。堅上や国分など、ぶどう栽培は周辺地域にもひろがり、ここに、現在に続く「ぶどうのまち柏原」の礎が築かれたのです。さらに、府道沿いには大きな工場がつくられ、人口はどんどん増加しました。
一方で、このころ、巨大台風、地すべり、地震など、柏原を様ざまな災害が襲い、しだいに戦争が生活に暗い影を落としていきます。多くの危機を越えて、柏原の人びとは「昭和」を生き抜いてきました。今回の企画展を通じて、膨大な資料から、柏原にとって、日本にとって昭和時代がどのような時代であったかを感じ、わたしたちのまちの未来を考えるヒントをつかんでいただけると幸いです。

▶堅下地域の民家とぶどう棚
(2026年2月号掲載)