父母の離婚後のこどもの養育に関するルールが改正されます

公開日 2026年3月9日


民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について〔令和8年4月1日施行〕

概要

令和6年5月17日に、父母が離婚した後もこどもの利益を確保することを目的として、民法等の一部を改正する法律が成立しました。この法律は、令和8年4月1日に施行されます。

子の養育に関する父母の責務を明確化するとともに、親権・監護、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与等に関する規定を見直すものです。いわゆる共同親権についても、この法律により定められています。

民法等改正法の詳細については、以下のサイトやパンフレット等をご確認ください。
 

■親の責務に関するルールの明確化

こどもの未来を担う親としての責任として、親権や婚姻関係があるかどうかに関わらず、こどもを育てる責任と義務についてのルールが明確にされました。

こどもの人格の尊重

こどもの心身の健全な発達を図るため、こどもを養育する義務を負います。その際には、こどもの意見に耳を傾け、その意見を適切な形で尊重することを含め、こどもの人格を尊重しなければなりません。

こどもの扶養

父母には親権や婚姻関係の有無に関わらず、こどもを養う責任があります。扶養の程度は、こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。

父母間の人格尊重・協力義務

こどものために、お互いに人格を尊重し、協力しなければなりません。

(注意)以下のような行為は、「父母間の人格尊重・協力義務」に 違反する場合があります。違反した場合には、親権者の指定又は変更の審判、親権喪失又は親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮される可能性があります。※ただし、暴力(DV)や虐待などから避難するために必要な場合などはこの義務に違反しません。

・暴力や相手を怖がらせるような言動や誹謗中傷、濫訴など
・他方の親によるこどもの世話を不当に妨げる行為
・特段の理由なく、他方の親に無断でこどもを転居させること
・特段の理由なく、約束した親子の交流(面会)を拒むこと   など

こどもの利益のための親権行使

親権(こどもの面倒をみたり、こどもの財産を管理したりすること)は、子どもの利益のために行使しなければなりません。

 

▶親の責務等、父母相互の人格尊重・協力義務、家庭裁判所が親権者の指定又は変更についての判断をする際の考慮要素、親権の行使方法等について
 法務省のウェブサイト「Q&A形式の解説資料」(外部リンク)を合わせて確認してください。

 

■親権に関するルールの見直し

これまで日本では、離婚後の親権はどちらか一方のみが持つ「単独親権」でしたが、法律が改正されて、父母双方が親権を持つ「共同親権」も選べるようになります。

父母2人ともが親権を持つ共同親権の場合

◆日常のことは一方の親で決められます

毎日の生活に必要なこと(食事や着る服を決めること、短期間の観光目的での旅行、予防接種や習い事など)は、父母のどちらかで決めることができます。

◆大切なことは父母2人で話し合う

こどもの住む場所を変えることや将来の進学先を決めること、心と体の健康に大きな影響を与える治療やこどものお金の管理などについては、父母が話し合って決められます。なお、父母の意見が対立するときには、家庭裁判所で、父母のどちらかが1人でその事項を決められるようにする裁判を受けることもできます。

(注意)父母の合意がない場合は、裁判所が関与します。

◆一方の親が決められる緊急のケース

暴力等や虐待から逃れるために引っ越すこと、病気やケガで緊急の治療が必要な場合などは、父母のどちらも1人で決めることができます。

監護(日常の世話等)についての定め

離婚するときは、こどもの監護の分担についての定めをすることができます。この定めをするに当たっては、こどもの利益を最も優先しなければなりません。例えば次のような定めが考えられます。

  • 平日は父母の一方がこどもの監護を担当し、土曜日・日曜日、祝日はもう一方が担当するといった定めや、父母が週ごとに交互に子を監護するといった定め
  • こどもの教育に関する決定は同居している親に委ねるが、その他の重要な事項については父母が話し合って決めることとするといった定め

 

■養育費の支払い確保に向けた見直し

養育費をしっかりと受け取れるようにするため、新たなルールの創設や見直しが行われました。

取り決めの実行性の向上

別居している親が養育費の支払いを怠ったときに、債務名義がなくても、養育費の取り決めで作成した文書に基づいて、差押えの手続きを申立てることができるようになります。

暫定的に請求することができる養育費(法定養育費)の新設

離婚のときに養育費の取り決めをしていなくても、同居している親は、もう一方の親に対して、暫定的に一定額の「法定養育費」を請求することができるようになります。

※法定養育費は、あくまでも養育費の取り決めをするまでの暫定的・補充的なものです。こどもの健やかな成長を支えるためには、父母の協議や家庭裁判所の手続により、各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取決めをしていただくことが重要です。

裁判手続きの利便性の向上

養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるために、家庭裁判所が、当事者に対して収入情報の開示を命じることができます。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで当事者の財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差押えといった手続きを行うことができるようになります。

 

■安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

婚姻中の父母が別居している場合の親子交流のルールが明確化されたほか、父母以外の親族とこどもとの交流に関するルールが設けられました。

親子交流の試行的実施

家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことに関する制度が設けられました。

婚姻中別居の場合の親子交流

父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流のルールについて、父母の協議により定めることや、決まらない場合は家庭裁判所の審判等により定めることとされました。いずれの場合もこどもの利益を最優先に考慮することとされています。

父母以外の親族とこどもの交流

祖父母等とこどもとの間に親子関係のような親密な関係があったような場合には、父母の離婚後も、交流を継続することがこどもにとって望ましい場合があります。こどものため特に必要があるときは、家庭裁判所は、父母以外の親族とこどもとの交流を実施するよう定めることができます。

 

■財産分与に関するルールの見直し

財産分与の請求期間の延長

財産分与の請求期間が離婚後2年から、離婚後5年を経過するまで請求できるようになります。

※民法等改正法の施行前(令和8年3月31日以前)に離婚した夫婦が財産分与の請求をすることができる期間は、離婚後2年となりますので、ご注意ください。

財産分与の考慮要素の明確化

これまで民法では、財産分与にあたってどのような事情を考慮すべきかが、明確に規定されていませんでした。そこで、今回の改正では、婚姻中に取得した維持した財産の額、財産の取得又は維持についての各自の寄与の程度、婚姻の期間、婚姻中の生活水準、婚姻中の協力及び扶助の状況、年齢・心身の状況、職業、収入といった考慮要素が例示されました。

裁判手続きの利便性向上

裁判手続きをスムーズに進めるために、家庭裁判所が当事者に対して財産情報の開示を命じることができます。

 

■養子縁組に関するルールの見直し

養子縁組後の親権者の明確化

未成年のこどもが養子になった場合には、養親がそのこどもの親権者となり、実親は親権を失います。複数回の養子縁組がされた場合には、最後に養子縁組をした養親のみが親権者となります。

離婚した実父母の一方の再婚相手を養親とする養子縁組(いわゆる連れ子養子)の場合には、養親(再婚相手)とその配偶者である実親が親権者となります。この場合には、実父母の離婚後に協働親権の定めをしていたとしても、他方の親権者は親権を失います。

養子縁組について父母の意見調整手続きの新設

15歳未満のこどもが養子縁組をするときは、そのこどもの親権者が養子縁組の手続きを行う必要があります。これまでの民法では、父母双方が親権者であるときに、その意見対立を調整するための規程がなく、父母の意見が一致しなければ養子縁組することができませんでした。

今回の改正では、養子縁組の手続きに関する父母の意見対立を家庭裁判所が調整するための手続きが新設されました。

家庭裁判所は、こどもの利益のために特に必要だと認めるときに限り、父母の一方を親権行使者に指定することができます。指定された親権行使者は単独で養子縁組の手続きを行うことができます。

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その他の改正

  • 改正前は、夫婦間で結んだ契約をいつでも一方的に取り消すことができることとされていましたが、この規定が削除されました。
  • 改正前は、「強度の精神病にかかって回復の見込みがないこと」が裁判離婚の事由の一つとされていましたが、この規定が削除されました。

 

参考

ひとり親家庭のためのポータルサイト(こども家庭庁)

 

お問い合わせ

子育て支援課
TEL:072-972-1563
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