【コラム】大和川の流れ~新大和川のルート~ (3)天和3年検分の第1ルート

公開日 2026年9月17日

更新日 2026年9月17日

 5回目の付け替え検分は、天和3年(1683)の3月から約3か月をかけて実施されました。大和川・淀川だけでなく、その支流まで調査しています。現在の京都市から大阪市、大阪府東部・南部、大阪湾周辺をまわって奈良県、京都府南部、滋賀県の琵琶湖までという行程です。この際の新大和川ルートは、付け替え反対嘆願書の存在から、舟橋村(藤井寺市)から田辺村(大阪市東住吉区)を経由して安立町(大阪市住之江区)へ、また田辺村から阿倍野村(大阪市阿倍野区)へのルートで検討していたと考えられていました。わたしも『大和川の歴史』(2020)に、そのように書きました。しかしその後、令和2年(2020)に舟橋村の「川違迷惑之御訴訟」(松永白州記念館所蔵)を確認し、天和3年の検分でも、当初は新大和川に近いルートで検討されており、第二案として田辺村を経由するルートが検討されていたことがわかりました。
 この文書は、天和3年4月18日付けの付け替え反対嘆願書で、「芝村三郎左衛門、吉田村次郎兵衛立申候榜示之通、国府村・舟橋村ゟ新川御付ケ被成候ハゝ」とあり、「西手水橋迄」ともあることから、国府村(藤井寺市)と舟橋村の間で付け替え、手水橋(大阪市住之江区)までのルートで検討され、杭も打たれたことがわかります。
 付け替え反対の嘆願書を提出した村々は、志紀郡柏原村、舟橋村、国府村、北条村、大井村、林村、沼村、小山村、太田村、南木本村、丹北郡小山村、太田村、南木本村、津堂村、若林村、大堀村、川辺村、長原村、別所村、三宅村、東瓜破村、西瓜破村、住道村、城連寺村、矢田部村、枯木村、芝村、油上村、摂州住吉郡庭井村、苅田村、我孫子村、杉本村、山ノ内村、遠里小野村、七道、安立町の36か村です。この村名をたどれば、ルートがほぼわかります。そして、そのルートは「大和川違積り図」(当館所蔵中家文書)に記されたのルートと考えられます。
 このルートの特徴は、実際の付け替え地点よりも約500m南に付け替え地点を設定していることです。おそらく石川との合流地点よりもやや南で大和川を西へと流し、石川と合流させて国府村と舟橋村の間を北西へ、北條村・大井村(藤井寺市)の南を通って大乗川の流れを利用して小山村・津堂村(藤井寺市)の北を通り、川辺村と長原村(大阪市平野区)の間を通るルートを考えていたようです。

 (安村)

3.「大和川違積り図」

「大和川違積り図」(当館所蔵中家文書)に加筆。

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