2025年のスポット展示

公開日 2025年4月17日

2025年(令和7年)

1~2月 『こんなモノをいただきました-手あぶりと暖まる道具』  

 新たに当館にご寄贈いただいた「手あぶり」を中心に、暖まる道具を展示しています。

 「手あぶり」は、今では聞きなれない民具ですが、手がかじかむ寒い日、手を「あぶる」、つまり、暖めるための一人用の火鉢で、なかに炭を入れて、その熱で周辺を温かくしました。
 むかしの日本の家は、夏に過ごしやすいように開放的につくられていましたので、冬はすきま風でとても寒かったです。そのため、部屋の全体を暖めるのではなく、このような身のまわりをあたためる道具が普及したのです。
 豊かな家の蔵には、親類やお客さんが大勢やって来たときのために、どこの家でも、「火鉢」や「手あぶり」をたくさんおいてありました。

 その他、市内で使用されていた湯たんぽ・豆炭あんか・安全こたつ(回転こたつ)をあわせて展示しています。
 湯たんぽは、やかんなどで熱湯を注ぎ、それを熱源として一晩温まる道具で、今ごろのような寒い日の夜には欠かせない道具でした。日本では明治時代に一般家庭に普及し、大正時代には、扱いやすいブリキ製が登場します。
 また、安全こたつは、就寝中、うっかり蹴ってしまったとしても、炭などの火気を入れる金属製の火入れが吊下げ式になっていて、自在に回転して常に上を向くため、炭火・灰がこぼれない仕掛けになっている優れものの発明品で、大正時代、全国的に普及しました。デザインも美しく、見ごたえがあります。

 ぜひ、この機会に、展示をご覧いただき、“暖まる道具”について知っていただけると幸いです!

手あぶりと暖まる道具

手あぶりと暖まる道具 手あぶりと暖まる道具

3~4月『こんなモノをいただきました‐おひなさん-御殿びな-』

 3~4月期は、恒例のおひなさんの展示です。今年度も、市民の方よりご寄贈いただいた、立派な御殿びなを展示しています。

 ご存じのように、3月3日のひなまつりでは、ひな人形を飾って女子の成長を祝いますが、このような行事を行なうようになったのは、江戸時代、今から400年ほど前のことです。ただし、いわゆる「ひな壇」に飾る形式はもっと後に江戸で生まれた風習で、関西では、むかしは京都御所をモチーフにした「御殿びな」の形式が主流でした。
 展示している御殿びなは、昭和15(1940)年に購入されたものであるとのことで、御殿、内裏びなのほかに、豪華でかつ繊細なひな道具もたくさん備えられていて、見ていて飽きることがありません。
 また、今回は、飾って楽しむひな人形の源流である「流しびな」(「人形(ひとがた)」としてお祓(はら)いに用いる)もあわせて展示しています。引目・鉤鼻・おちょぼ口で丸顔の面貌は、ほほえましい感じがします。

 ぜひ、この機会に、華麗なおひなさんをご覧いただくとともに、おひなさんの歴史について知っていただけると幸いです!

御殿びな1  御殿びな2  御殿びな3  御殿びな4 

スポット展示 / 資料館TOP

お問い合わせ

文化財課
TEL:072-976-3430
戻る