2026年のスポット展示

公開日 2026年3月14日

1~2月 『こんなモノをいただきました  -あたたまる道具・洗う道具- 』  

 1~2月期は、小学3年生の「むかしの暮らし」学習とタイアップして、昨年度に引き続き、火鉢、湯たんぽなどの「あたたまる道具」と、「洗う道具」として、洗たく板・たらいを展示しました。今年度は、新たに当館にご寄贈いただいた「練炭火鉢」がいちばんの目玉です。

 密閉性の高い現代の家屋では一酸化炭素中毒になるおそれがあることから、「練炭火鉢」はあまり使用されていませんが、今から100年前ころ、この日本生まれの商品が市場に登場したときは、比較的安価で長持ちし、かつ扱いが便利とあって、瞬く間に普及し、一家に一台は必ず置いてあると言われました。冬を乗り切ることが大変だった時代、生活を大きく改善させた魅力的な道具だったのです。その後、戦後になって電気ストーブや石油ストーブが登場し、徐々に置き換わっていきました。
 むかしの日本の家は、夏に過ごしやすいように開放的につくられていましたので、冬はすきま風でとても寒かったです。そのため、部屋の全体を暖めるのではなく、このような身のまわりをあたためる道具が必須で、火鉢や湯たんぽ、あんか、手あぶりが生活必需品だったということです。

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3~4月期のテーマ

「こんなモノをいただきました -おひなさん- 」

 3~4月期は、恒例のおひなさんの展示です。今年度も、市民の方よりご寄贈いただいた、立派な御殿びなを展示しました。

 ご存じのように、3月3日のひなまつりでは、ひな人形を飾って女子の成長を祝いますが、このような行事を行なうようになったのは、江戸時代、今から400年ほど前のことです。ただし、いわゆる「ひな壇」に飾る形式はもっと後に江戸で生まれた風習で、関西では、むかしは京都御所をモチーフにした「御殿びな」の形式が主流でした。展示している御殿びなは、御殿、内裏びなのほかに、豪華でかつ繊細なひな道具もたくさん備えられていて、見ていて飽きることがありません。
 さらに、今年度も、飾って楽しむひな人形の源流である「流しびな」(「人形(ひとがた)」としてお祓(はら)いに用いる)をあわせて展示しました。引目・鉤鼻・おちょぼ口で丸顔の「流しびな」の面貌は、素朴でほほえましい感じがします。

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5~6月 『こんなモノをいただきました  -水をやる道具- 』  

  5~6月期は、市民の方から新たにご寄贈いただいた、「水をやる道具」を展示しました。

 畑への「水やり」(潅水)は、例えば柏原の特産 ぶどうの場合、実をつくる時期に雨があまり降らないと、樹が十分に成長せず、立派な実が生(な)らなくなりますので、人の手で「水やり」を行なうことになります。うだるような暑さのなか、畑のなかをくまなく「水やり」するのは、たいへんな仕事です。
 電力を用いた「動力噴霧器」(動噴)が登場する前は、水を人力で畑に持っていく必要があり、より重労働でした。むかしの人は、おうこ(天秤棒)の両側に60~80kgもの水や肥料を担いで歩きました。「じょうろ付きたんご」は、それぞれの「たんご」に付いている棒を引くと、底に空いた穴を伝って「蓮口」からに水が注がれ、担いだまま「水やり」ができる優れもののたんごです。
 新蔵品の「じょうろ」は、「蓮口」を含むすべてがブリキ製の大型のじょうろで、およそ70年前ころ、トマトなどの野菜を育てていた本市古町地区の畑で使用されていたものとのことです。特徴的な先端部分=「蓮口」は、ハスの花が散った後に残る「花托」と形状が似ていることにちなむ名称で、水流を弱めてシャワー状にして、植物や表土を傷めずに「水やり」を行なうための工夫です。

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7~8月 『こんなモノをいただきました  -洋装の道具- 』  

 7~8月期は、市民の方から新たにご寄贈いただいた山高帽を中心に、「洋装の道具」を展示しました。

 折りしも、同時開催した夏季企画展「日本近代の児童福祉と柏原 ―共に歩んだ100年― 」では、大正12(1923)年、時の館長 武田慎治郎(大正15(1926)年、武田塾を創設)によって大阪府立修徳館(現 府立修徳学院)が高井田に移転したことを皮切りとして、柏原が〈児童福祉のまち〉となる過程を検討しており、社会福祉法人武田塾に所蔵されている慎治郎の愛用の品のうち、ステッキや山高帽などの「洋装の道具」も出品していただいています。今回は、それと連動して展示を実施しました。
 新蔵品の山高帽は、大英帝国 ロンドンの高級ブランド品街、オールド・ボンド・ストリートに店を構えるグリン アンド カンパニー(Glyn & Co)の製造品で、近代日本を代表する帽子専門店である田村商店(東京 京橋)で購入されたものです。山高帽は当寺の英国紳士が好んで身に着けていたものですが、柏原にも、タイムラグなく、その「ホンモノ」がもたらされていたことが注目されます。現在の本市国分本町に在住していた、江戸時代以来の名望家のお家から寄贈していただいたものです。
 その他、展示では、大正時代~昭和初期のモードとして、女性に大流行した洋傘や、学生(特に男子)の必需品として好まれたマント(腕を通す袖の部分がなく、肩からゆったりと羽織る洋服)、いち早く洋装が進んだ衣服である水着をあわせて展示し、100年前の「おしゃれ」の一端に触れました。

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