はじめに
過去に発生した阪神淡路大震災、新潟県中越地震や東日本大震災に加え、今年、4月14日に前震、16日に本震と2度にわたって震度6.5以上の巨大地震が九州熊本地方で発生しました。
この地震により多くの家屋が倒壊し、また、電気、上下水道、ガスなどの生活必需基盤(ライフライン)が被害を受けました。
このような自然災害は、人の力で防ぐことはできません。しかし、事前に準備をすることで減災はできると考えます。
下水工務課では、今までに発生した地震被害の情報や復旧作業を基に、下水道の施設が地震の被害を受けた場合を想定して、住民の皆様へ地震に対する自助行動を啓発しています。
自助行動とは
自助行動とは、いざという時に自らが果たすべき行動をいいます。
たとえば、地震により下水道管が破損して使えなくなった場合、ご家庭の排水を流さないことが自助行動となります。
もし、自助行動の理由を理解せずに汚水を流した場合、道路上のマンホール蓋から汚水が溢れ出したり、ご近所やご自宅の便器、お風呂の排水口などから汚水が逆流し、ノロウィルスによる感染症、食中毒などの二次被害をひきおこす恐れがあります。
また、下水道管の上流から次々と汚水が流れることで、復旧作業が遅れ、避難所生活が長期化し、新たな二次被害の発生も考えられます。
実際に熊本地震では、避難所生活が長期化し、使用する仮設トイレが混雑したり遠かったりしたことで、食事や水分を控えトイレに行く回数を減らしたため、地震で助かった命が、震災関連死の原因となるエコノミークラス症候群や脱水症状で失われたケースも多く見受けられました。
このような場合、自らが事前に市販の災害用携帯トイレを備蓄していただくか、又は災害時に簡易トイレを作って(ご家庭内や学校教育などで学んでおく。)いただくことで、災害時の事前対策となる「自助」の責任を果たし、多くの大切な命を救うことにつながります。
今後、住民の皆様には、地震に対する日ごろの備え及び自助行動へのご理解をいただき、少しでも地震災害の減災にご協力をお願いいたします。
事前の備え
事前準備
- 市販の災害用携帯トイレを備蓄しておきましょう。
- ご自宅のトイレは、浄化槽であるか公共下水道に接続されているかを確認しておきましょう。なお、浄化槽は、処理能力以上に使用すると故障の原因となりますので注意しましょう。
- 簡易トイレの作り方を事前に学んでおきましょう。

災害が発生した場合
- 下水道を使用することが可能であるか市役所や避難所で確認しましょう。
- 避難所に仮設トイレを設置するには、場合によって2~3日以上要する場合があります。事前対策となる自助行動を積極的に行いましょう。
- 食事は、できるだけ下水道に流れないようなものを食べましょう。また、食器などは、紙皿や紙コップを使いましょう。
- ご自宅のお風呂が使える場合は、沸かし直して入りましょう。
- お洗濯は、お風呂の残り湯を利用しましょう。